環境
2. 森の里の誕生・あゆみ2
⑤ 研究学園都市としての森の里
森の里は、豊かな自然環境に恵まれた居住環境と、公害のない知識集約型の施設として、我が国を代表する企業の先端技術に係わる研究所や大学・高校を誘致するなど、研究学園都市として計画されました。
誘致企業としては、
NTT 厚木研究開発センタ
株式会社富士通研究所 厚木研究所
株式会社東洋テクニカ 電子技術センター
キャノン株式会社 中央研究所
栗田工業株式会社 総合研究所
全国信用金庫連合会 厚木システム開発センター
日製産業株式会社
コーリン電子株式会社
誘致学校としては、
なかい学園 森の里幼稚園
神奈川県立厚木西高等学校
松蔭女子短期大学(現 松蔭大学)
青山学院大学(平成15年まで)
があり、先端技術の研究施設や学問の府としての大学などが立地していることは、ここに暮らす人々にとっては知的創造性が喚起され森の里の大きな特色となっています。
それは、研究所を一般公開している企業や公開講座を開設したり文化祭などで一般市民を巻き込む事業を実施したりする大学や高校の取組からも研究学園都市としてその機能を果たし、住民も自然環境はもとより、こうした社会環境の恩恵を十分受けて豊かな暮らしを満喫していることがうかがえます。
(平成17年11月発行の「森の里風土記」(森の里地区文化振興会編)より)
⑥ ふくろうが見守る森の里
ニュータウンができる前は、豊かな里山が広がっていて、たくさんの動植物が命を育んでいた所でしたが、この里山を切り開いて、環境抜群なまちを造った当時の「住宅都市整備公団」は、『森の里を造る』ということで、豊かな自然環境に恵まれ、「はぐくむ四季のまち」をまちづくりのコンセプトとして、至る所にこの環境を生かした美しい町並みの形成をはかるための修景整備として当初から計画していました。
その一つが、この石フクロウ群です。
23体の様々な姿の、愛らしいフクロウたちが、まちを見つめ、住んでいる私たちに「豊かな自然を守り、育ててくれよ!」と訴えているようにも感じられます。
フクロウという鳥は、日本には10種類が棲息していると言われていますが、ノネズミなどの小さな生き物を捕まえて食べているわけで、豊かな森がないと棲息できません。まさに「森の里」のイメージに合っていると思われます。
森の里のシンボル「フクロウ」を紹介をします。
(平成17年11月発行の「森の里風土記」(森の里地区文化振興会編)より)
①ふくろうの小路
ふんわりとした羽と顔、まるい大きな目のふくろうが「森の里」に住んでいます。
『ふくろうの小路』を楽しく歩きながらふくろうとお友だちになりましょう。
②シマフクロウ
日本にいるフクロウの中で、一番大きく北海道の原生林に住んでいます。アイヌ語で『コンタクルカムイ(林を守る神)』と呼ばれています。
Q シマフクロウは人間の子どもと比べると何才くらいの子どもの大きさになるでしょう。
③シマフクロウ
シマフクロウは、2才の子どもと同じくらいの大きさ(約70センチ)があります。羽を広げて音もなく獲物を捕まえる姿はフクロウの王様といえます 。
④フクロウとミミズクの ちがい
フクロウとミミズクはどこがちがうのでしょう。フクロウもミミズクも全て、フクロウ目フクロウ科です。
頭の上に猫の耳のような羽角(うかく)をもつ種類のものをミミズク(耳木菟)と呼び、羽角のない種類をフクロウと一般的に呼んでいます。
⑤シロフクロウ
白い雪だるまのような大きなフクロウ。北極圏に住んでいますが、真冬に日本の北の地方に飛んでくることがあります。
Q 白フクロウの英語の名前にはどんな意味があるのでしょう 。
⑥シマフクロウ
シロフクロウの英名は、「Snowy Owl」「雪のフクロウ」という意味です。雪原に巣をつくるので、隠れやすい雪のかたまりのような姿で身を守るのです。
⑦コミミズク
金色の目のまわりに黒いアイシャドーをぼかしたようなりりしい顔立ち。日本には冬鳥として北の国からやってきます。
Q コミミズクのコミミとは、何のことでしょう。
⑧コミミズク
頭の上にチョコンとついている羽角(うかく)のことです。 この羽角が小さな耳に見えるのでコミミズク(小耳木菟)と呼ばれるようになりました。
⑨フクロウの目
フクロウはうす明かりの中で人間の何倍ぐらいの視力があるでしょう。
10倍の視力があるといわれています。しかも、目が正面をむいているので立体的に見ることができ、獲物をねらうのに適しています。
⑩トラフズク
だいだい色の顔と目頭に羽角(うかく)をもつフクロウ。中部地方より北に住んでいますが、冬、雪が多くなると南に移ります。
Q トラフズクのトラフとは、どんな意味でしょう。
⑪トラフズク
トラフとは、「虎斑」(とらふ)のことで、体の模様が虎に似ていることからトラフズクという名がつきました。
常緑樹の森に住むことが多く、この模様が姿をかくすのに適しています。
⑫オオコノハズク
名前のとおり、木の葉のような形をしています。全国的に最も多くみられるフクロウで木の穴や民家の軒下に巣をつくります。
Q オオコノハズクはどんな鳴き声をするのでしょう。
⑬オオコノハズク
ミューミューと小猫のような声で鳴きます。特に卵をあたためている時にこのように鳴くことが多く、オスはミューミューと鳴くほかウオッウオッと犬がほえるような声を出します 。
⑭フクロウの首
フクロウは首を、どれくらい後にまわすことができるでしょう。ほとんど完全に真後ろまで回すことができます。
日本にはいませんが、メンフクロウのように、顔の上下を逆さまに動かせるものもいます。
⑮フクロウ
羽角(うかく)のない丸い顔に黒い目、九州から北にすみ、昔から人々に親しまれてきました。鳴き声は「ボロ着て奉公などと聞こえることから民話にもよく登場します。
Q フクロウの羽の色は全国どこでも同じでしょうか。
⑯フクロウ
フクロウの羽の色は、北海道のものは白く、南へ下がるほど黒くなり、宮崎県のものは顔が黒々としています。
⑰コノハズク
日本で見られるフクロウ類の中では一番小さく体長は20センチ程しかありません。
木にとまっている姿は、大きな木の葉のようです。
Q コノハズクは鳴き声から、「聖なる鳥」と呼ばれてきましたが、一体なんとなくのでしょう。
⑱コノハズク
コノハズクは、ブッポーソーと鳴きます。つまり、「仏・法・僧」の三宝をあらわすといわれました。
しかし、この鳴き声がコノハズクだということは、昭和になって確認されました。
⑲フクロウの足
フクロウの足の指は前後に何本ずつでしょう。
前2本、後2本で獲物をつかみやすくなっています。また、フクロウの足は、兎(うさぎ)に似ていることから「木菟(ズク)」と呼ばれるようになりました。
⑳アオバズク
頭巾(ずきん)をかぶったようなまるい頭に丸い顔、金色の目をもつ小型のフクロウで、夏鳥として日本へやってきます。
Q アオバズクのアオバとは何のことでしょう。
㉑アオバズク
アオバズクは青葉木菟と書きます。夏鳥として日本へやって来て、青葉がしげるまぶしい5月下旬頃からよく鳴き始め、人目につきやすくなるため、この名がつきました。
㉒フクロウの耳
フクロウの耳の役割は何でしょう。
フクロウの耳は、パラボラアンテナのようになっています。しかも、左右で上下の位置がずれているため、両耳に入ってくる音の時間差によって、暗やみの中ですばやく獲物のいる場所をキャッチします。
㉓ふくろうの小路
「ふくろうの小路」を楽しく歩いていただけましたか。
人間にもふくろうにも住み良い自然と調和したふる里を願いつつ、またこの小路でお会いしましょう。
番外編 森の里のシンボル:ゲートモニュメント
テーマは、「風」。豊かな森を吹き抜ける「風」。
まち全体のアイデンティティと住民意識の高揚、来訪者に対してはランドマークとしての機能をもたせ、親密さと和やかさ、そして落ち着きのある個性的なシンボル創造を目指し、小野進入路となる位置に、シティゲート・モニュメントが アイストップ として設置されています。
森の里は「自然を生かす」「ゆたかなまちの表情をつくる」「コミュニティーをはぐくむ」をコンセプトとして創出されています。
森の里は、豊かな自然環境のなかに「住まう」「学ぶ」「研究する」「憩う」という機能を併せもった複合都市です。
このモニュメントは、人々を暖かく包み込む森の風と、知性、進取生、国際性に富む新しい風をテーマに、二つの風、四つの機能(Living、Academic、Technology、Park)を表現したものです。
(写真でつづる森の里のまちづくり「あつぎニューシティ 森の里」)より抜粋
(森の里のシンボル:ゲートモニュメント) 撮影地:小野榎田地区)
M0501020